黒河は笑い、銃を手に
その小屋の中へ踏み込んだ。
そして物音に振り向いた女に、
いきなり銃口を付きつける。
「――動くなコラ」
「ッ――!?」
「だっ……誰、
なの……!?」
「黙れ。余計な口
きくんじゃねぇ」
端的にそう告げて、
親指で銃の撃鉄を下ろす。
すると女は、それだけで
さらに硬直した。
「〜〜ッ!!」
「そうそう。それでいいんだよ」
「こ……殺さ、ないで……!」
「クハハハハッ、そいつはてめぇ次第だなァ」
「食料、武器、メモリーチップ。
何でもいいから全部俺によこしやがれ。じゃねぇと、てめぇ――」
「――ん?」
ふと気付けば、女の足元にPDAが落ちている。
とりあえず目当ての物を見つけ、黒河の口端が上に引き上がる。
「おい女、てめぇそのPDAを俺に見せろ」
「っ――!」
「そ、それは……だめよっ、できないわ!」
「ああ!? てめぇ、この状況わかってんのか!?
頭ハジかれてからじゃ、後悔すらできねぇんだぞコラァ!?」
「で、でも……」
「あっそ。じゃあ死ね」
「わ……わかった。わかったから」
黒河の恫喝を受け、女が慌ててPDAに手を伸ばす。
だが、それに触れた途端――
「っ……」
「あ? てめぇ、なに止まってんだ?」
「……」
「……あ、あなた……じ、銃を捨てなさい……」
「はァ?」
「――じゅ、銃を捨てないと、ああっ、
あなたの首輪を、ば、爆破するわよっ!」
「はぁあああっ!? 首輪を爆破するだぁっ?」
「てめぇ舐めたこと言ってやがると――」
黒河がそこまで言いかけた時、充が後ろで声を上げた。
「――く、黒河くんっ!?」
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